2013年1月13日日曜日

学芸出版社のセミナー「元広告マンが家族と愛媛県に移住 旋風を巻き起こす」のレポート

2013年1月11日(金)に開催された、「元広告マンが家族と愛媛県に移住 旋風を巻き起こす」というセミナーと懇親会に参加してきました。内容をレポートします。
告知のWebページはこちらです。



地域おこし協力隊とは?

総務省の事業です。日本の三大都市圏を対象に、過疎地域への移住を促進するプログラムのです。
(講演の中で、きちんと仕組みについて説明があるのかと思いましたが、詳しい体系だった説明がなく、断片的な情報になってます。ご了承ください。)

  • 総務省の事業です。
  • 市町村がそれぞれのニーズにもとづき、隊員を募集します。
  • 隊員は1年〜3年程度の任期で、その地域に根ざして地域の活性化のための取り組みを行うといます。取り組みは、各市町村によって、違います。
  • 報酬は、ざっくり手取りで10〜20万円/月の間くらいで、総務省の予算から各市町村に交付され、隊員に支払われるようです。
  • 望ましいイメージは、任期が終わったのち、隊員がその地に定住することです。
  • 2012年の秋のクールのドラマで、地域おこし協力隊がモチーフになったドラマがあったそうです。
正式な「地域おこし協力隊」のWebページはこちらです。


以下、講演の様子をレポートします。

講演者冨田 敏さんの略歴

22年間勤めた広告代理店を退社。伊予市の地域おこし協力隊に応募、採用され、奥さんと娘さんと共に11年7月に移住。「ここで暮らして良かった」「ここで穏やかな最後を迎えられる」をテーマに、地域の人々と共に活動。3年の任期終了後の定住を決めている。
(講演告知ページから抜粋)

冨田さんの生い立ち

東京で生まれ、幼少期はご両親のお仕事の関係で日本各地をひっこしした経験をお持ちです。大学卒業後、都内の広告代理店で猛烈サラリーマンをされていたそうです。退職される最後は、営業部長として活躍されたようです。

地域おこし協力隊を知ったきっかけ

リーマンショック後の大不況の際、大規模なリストラ実施の責任者を担当され、そのときにご自身とご家族の将来を考え、独立を決意されたそうです。
広告代理店を辞められた後、那須塩原で学習塾を開業しようと準備していたそうです。
那須塩原にゆかりがあった訳ではなく、学習塾のマーケットとして、魅力的だったようです。(新幹線通勤の比較的所得の高い家庭が増えているということなのでしょう。)
しかし、311の大震災が起こり、原発事故の影響を考慮し、いったん白紙にされました。
そんな中、地域活性化などのキーワードで検索したところ、「地域おこし協力隊」を知ったそうです。

いろいろな市町村の募集がある中からの伊予市を選んだ理由

以下の3つの理由が強かったように感じました。
・あこがれがあった南国というイメージ(でも、冬はそれなりに寒いそうです)
・「地域活性化をお願いします」というざっくりとした仕事内容だったので、仕事への取り組み方に自由度がありそうだった。
・原発被害の影響を受けない地域

隊員としての活動

田舎育ちの私はわかるのですが、よそから来た人が、その地になじむのは大変です。
冨田さんは、集落のすべての家庭にご挨拶にいったり、積極的に明るくコミュニケーションを取るなどして、馴染んでいかれたようです。
地域振興や観光の観点でイベント企画や商品企画を行っているようです。定量的な成果はまとめられていませんでしたが、特産品の「はも」を使った「はもバーガー」というヒット商品を生み出したそうです。
講演を聞いていて、一番の成果と感じたのは、冨田さんの活躍を目にした伊予市の他の2つの集落も「地域おこし協力隊員を招きたい」と思い、募集をしているそうです。


印象的だったこと

伊予市双海町のシニアの方々が「今のこの地域の状況を作ってしまったのは我々だ」と言い悔やんでいるそうです。
「我々が子どもたちに、『ここに居ても稼げないから都会に行け』とけしかけた。だから、この地域の活力が失われてしまった。」
これは、わたしの出身地の岩手県奥州市も含め、日本の田舎は同じ状況だと思います。
私の親世代のシニアの方々が悔やんでいるということにハッとしました。私も東京で暮らしていますし。

地域おこし協力隊に応募される方は、20代の若者、60代オーバーのシニア層が多いようで、冨田さんのような働き盛り世代の参加は比較的少ないようです。
そうだろうなと思うのは、家族を養って行くのにはそれなりの収入を得る必要が多い世代なので、冨田さんのように、深い貢献をできる人はかなり少ないのでは、と感じます。
飛び込んで深い貢献をする人はもちろん大切だと思います。合わせて、軽い貢献をする人も増やしていくのもよいと思います。
例えば、都市圏に住んでいる伊予市出身の方の協力者を募り、伊予市の物産や企画商品を、都市部で販路開拓や販売支援する、なんてことは協力しやすいのでは、と思うのです。
都市圏の住民は、世界的な競争を行っている大企業に勤めている人も多く、彼らかは最先端の組織運営やマーケティングを学んでいる人もいます。
わたしの出身の岩手県南部の市町村と連携してやってみたいと思っているアイディアでもあります。

懇親会の様子

懇親会まで残られた方は30名程度いらっしゃったと思います。
出席されている方は、関西地方の行政関係者の方が多かったです。
勉強になったのは、行政関係者の垣根を越えた勉強会というのが存在し、情報共有のメーリングリストも存在するようです。
頑張っている公務員の方とお話できて、有意義でした。

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